Next Commons Labは、まだ見ぬ社会をつくるために
実験と実践を繰り返すソーシャルプロトタイピングチームです。
多くの日本人の価値観をも揺るがした東日本大震災。都市一極集中の暮らしや経済のあり方に疑問を感じた人の一部は、日本のローカルに目を向け、実際に地方へ居を移し、新たな活動をはじめるようになりました。そうした流れが生まれる一方で、社会システムそのものの大きな変化への脆弱性が明らかになりました。このような背景から、モヤモヤを抱えながら生きる個に対しローカルで起業するという新しい選択肢を提示しようと、2016年に岩手県遠野市でNext Commons Labは始まりました。さまざまなプロジェクトを通じて、ビジネスの観点だけでなく、個人の価値観や生き方の表現方法としての起業を定着させ、より多くの人が生きることを謳歌できる社会をつくりたいと考えています。
より多くの人が自ら考え行動し生きていくためには、それを根本から支える「コモンズ」、つまり社会の共通資本が必要です。それらは大きく3つに分類することができます。山や川や海のようなネイチャーコモンズ、電気やガスや水道のようなインフラコモンズ、そして、医療や教育や金融のようなシステムコモンズです。私たちは時代に合ったかたちでコモンズとの関わり方を再構築しながら、次世代にとっても必要な「未来のコモンズ=ネクストコモンズ」のあり方をつくり、それを望む人は誰でも暮らしに取り入れられるように働きかけます。新たにシステムが必要であればそれを作り、議論に終わらず体を動かし、新しい実験を行います。より多くの人が新たなかたちでコモンズにアクセスすることで、ひとつの依存先だけに頼らず、あるがままでも安心して暮らせる世界を実現できると信じています。
数年先のことすら分からない時代を私たちは生きています。これまでの概念や行動様式がいつまで通用するかも不確かであり、現在の延長線上には未来を見通すことはできません。私たちは大胆な構想力と実装力をもって「非連続な変化の先にある新しい社会のかたち」を実際に試作し改良する「ソーシャルプロトタイピング」という手法を採用し、予測不能な未来と現在の間で活動しています。あらゆるセクターとともに仮説を立て、実験と実装を繰り返しながら、いま特別なものを、未来のあたりまえにしていきます。
私たちはプロジェクトを推進するチームであり、多様な人たちが集うコミュニティです。まだ見ぬ社会をつくっていくアプローチとして、一般社団法人Next Commons Labが「社会実験(0→1)」を行い、それによって生まれた成果をより汎用的に社会に浸透させるべく、株式会社Next Commons Labが「社会実装(1→100)」の役割を担います。事業開発、起業家育成、組織開発、地方創生、IT、デザイン、アート、教育、不動産などメンバーの専門分野とスキルはさまざまです。メンバーは全国各地に拠点を持ち、その都度チームのかたちを変えながら、プロジェクトを展開しています。分野や地域を縦横無尽に飛び越えて、プロジェクトをコーディネートできるのが私たちの特長です。
Next Commons Labは、大きな変化を起こしづらい既存の社会と接続しながらも、社会を変えるのではなく、新しく「社会をつくる」ことに力を注ぎます。生産性や効率だけを追いかけるのではなく、多様な物差しによる価値を認め、その役割を果たせる社会をつくっていくことが私たちの使命です。