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故くて新しい未来

永い時を経て今ここにある、わたしたちの暮らし、それを取り巻く世界。故いものは創造の源であり、新しいものと等しく、価値がある。経験の中で培われた知恵や技術、経年の中でしか現れない質感や表情、すべて、有形無形を問わず、古から現代にもたらされたいくつもの資源です。よく吟味し、学び、組み合わせ、手を加えるか、あるいはそっとしておいてもいい。その場所に残されたもの、すでにあるものを殺さずに活かし、現代(いま)をアップデートし続けること。その態度と賢明さを手に入れよう。
温故知新な日々を、故くて新しい未来を、身近な暮らしの実践からはじめよう。

会津の山間に位置する西会津町は、かつて越後街道の宿場町として栄えた町並みと、深い森を擁する山々、豊富な水量を誇る阿賀川など、豊かな自然と文化がともに残っていて、山の神として知られる大山祇神(オオヤマツミ)を祀る神社には、いまも多くの人が訪れています。さらにはたくさんの縄文土器が出土するなど、古くから山と人の関わる場所でもありました。
高齢化と人口減少の波はここにも訪れていて、失われるものがある一方で、西会津国際芸術村の開設によってアーティストたちが活動し、若い移住者が現れるなど、新たな動きも生まれつつあります。


山に囲まれ冬には雪に覆われるこの山間部には、たくさんの自然はもちろんのこと、その中で育まれた暮らしの知恵や、使われなくなった建物、埋もれたレシピなどまだまだたくさんのリソースが眠っています。そうした資産を見直し無理なく活用することで、環境にも人にも負荷の少ない新しい暮らしの場、学びの場、創造の場をつくっていくこと目指しています。豊かな自然とたくさんの余白があるからこそより創造的になれる、そんな取り組みを西会津ではじめていきます。

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